看護師のICUにおける役目
モニタリング
ICUの業務に心電図のモニタリングがあります。心電図では心拍の異常やSTの低下、上昇など患者さんの状態がわかり、状態変化の早期発見につながります。また、医療機器だけでは把握できないこともあるので、実際に見たり触ったりして直接患者さんを観察することは大切な業務の1つです。ICUの患者さんは重篤な疾患があり、急変の可能性もあります。医療機器の数値や目視、体感によって常に状態を観察し、急変の早期発見に努めることが重要です。
診察の補助と治療介助
X線撮影や混合静脈血酸素飽和度モニタ、超音波診断などさまざまな医療機器をつかった診断や治療のときに医師を補助するのもICU看護師の役割です。このような業務が1日の大半をしめます。さまざまな医療機器に詳しくなることや医師としっかり連携して診療や治療の補助をするスキルを磨かなければなりません。
環境の整備
患者さんにどんな疾患があっても、生活環境の良し悪しは健康状態だけでなく生存率や離床に大きく影響してきます。生活環境が整うと患者さんの精神状態も安定しますし、QOLの向上が図れます。清潔を維持することはもちろんですが、医療機器の整理、カテーテルチューブの適切な配置、着脱防止など患者さんの身の回りの環境を整備することは重要な業務です。
日常生活の援助
一般病棟より機会は少ないですが、日常生活の援助や要望に応えることもICU看護師の仕事です。清拭や食事介助、不安や苦痛の緩和、意思決定の援助など、患者さんが安心して不安なく生活できるようにさまざまな角度から援助します。
他のスタッフとの連携
ICUでは重篤な患者さんを収容しているので急変する可能性が高いです。急変したときに他の医療スタッフと連携がうまくいかず、情報共有が適切にされなければ病態は悪化するでしょうし、対処が遅れることが考えられます。そのため、カンファレンスだけでなく業務中でも他の医療スタッフと情報共有することを意識し、臨床工学技士や薬剤師などからも専門知識を学ぶような気持ちでいなければなりません。
設備の管理
ICUにはさまざまな医療機器が設備されています。基本的には臨床工学技士が操作や管理をしますが、常駐しているとは限りませんし、異常時はすぐに対応できないこともあるので、看護師も操作方法や管理を習得しておく必要があります。救急蘇生器具や小外科セットなどの器具類も同様に管理しておく必要があります。
ご家族の精神的ケア
ICUはさまざまな医療機器に囲まれた特殊な空間であるため、患者さんのご家族は不安になりやすいです。看護師は患者さんだけでなくそのご家族の精神的ケアやサポートも重要な役割といえるでしょう。
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看護師のICUにおける役目
ICUの看護師の仕事内容と求められる役割について解説します。重症患者を集中的に管理治療するICUで働く看護師には、病態生理を正しく理解し、綿密に患者を観察し、異常を早期発見する観察力と異常発生時の対応力が求められます。